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2012.12.28~1.2 利尻 東北稜

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↑ c1003、C1… Now digging …

 

 膝が痛い、上は奈落の底、下はガスってよく見えない。ロープはつながっている。「よく止めたワタル」。

 空中でまだ体が振り子のように揺れている、なんとか届く雪庇を蹴りこんで、もう一度大きく振り子の振幅を大きくして逆側の崖の雪庇に両手を突っ込み、小さな枝に触った瞬間に握りこみ、自己確保をする。予めメインロープにセットしておいたプルージック×2セットはうまく機能しなかったので、結び方を変えていろいろ試すが芳しくない。

 しょうがないので登れるところまで登り、ラインが切れると振り子トラバースをして荷クライミングor空荷クライミング&荷揚げ、また振り子をして這い上がる。疲れて途中で水を飲む。かぶった雪庇を破壊しつつ、あがると上が見えた。30mくらい落ちたようだ。

 とっても疲れる。残り3m雪壁のところで中央PSさんがひょっこり現れる「何か手伝うかぁ」とのことで「荷揚げ手伝って、手がパンパンなんだ」といって手伝ってもらう。ありがたい、やっぱり人って素晴らしい。

 落ちたのは窓岩の事故多発地帯。雪庇が本当に巨大だった。まずい気がしてロープを出して、「この先は行けない」と腹ばいになって確認して戻ろうとしたが既に遅かったのだ。

 万が一に備えてロープを落ちた側の反対側に投げ込んでおいたのだが、そんなちょっとのことで助かったのと、新人の早川が教えたことをしっかり出来るヤツでよかった。

 懸垂ポイントは、当初に感じたところで正しかったのだが、「本当にここかどうか確かめる」ために、「この先は危険であるというとを確かめなければならない」と思い。少し先まで歩を進めたのが誤りだが、もういい。とりあえず低気圧が近づいているので歩く。

 脱出に2時間半かかった。

そのあとは中央Pがつけたトレースに甘える。膝には優しい。

 

 

12/28

 仕事が終わり、2300に札幌へ航をピックアップ。2900に稚内。朦朧とするがいつものことだ。

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↑眠ぃ、だが船は出るのだ。いがねば~




 

12/29 

 一便、フェリーに乗り込み寝る。それがここでの仕事だ。

0900には島のバスを降り、石崎林道へ。バスの中では「山行くの?荒れるから、荒れたら降りといでよ」なんて心配される。聾唖のばぁちゃんまで心配してくれる。

 「荒れたら無理しないで降りてきます。」と伝えペコペコ頭を下げる。人は素晴らしいと思う瞬間だ。見知らぬ人なのに心配してくれるなんて本当にありがたい。

 

林道を30分ほどでどん詰まり。そこで中央Pがタクシーで登場し挨拶する。

さらに30分ほど歩くと前から4人組が。「おーい」と声をかけてきたのが堀井さん、その後ろに栗山さん。そしてバビシェの2人組。

 昨日c1000を越えてC1としたが今朝の天気が悪いこと、低気圧が近づいていることなどから下山の判断をしたこと。こちらはどういう判断になるか。中央Pと交代でラッセルしながら我々は1400C1000付近の雪庇斜面で雪洞窟をほり、ブロックで完全封印する。それが1600くらい。中央Pはまだ先にいくとのこと。雪洞は4テンはれるくらい巨大になってしまったがヨシとする。明日は篭城の可能性があるからしっかりして快適なのが良いだろう。景色が良い。明日は晴れるのかが、行動できるのかが一番気になる。だが今回航がGPSを持ってきたので、頂上まで抜ければ下山は心配ないというのが心強い。


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↑石崎林道。Sea to summit が始まる。



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↑尾根、中央のSさんと超可愛いKさん。Sさんの雰囲気は高倉健だ。



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↑稜線見えた。嬉しい。これだけでも山は素晴らしいと思うのだ。



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↑patagoniaのR1-HOODYはかなり暖かい。ゴリラ



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↑パートナーのパヤカワ。

    
 
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↑穴掘る私。



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↑スコップ斜面に流すパヤカワ

 


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↑パヤカワ、にんまり。雪穴は超快適。



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↑明日晴れてくれないかなぁ… ギア達。



12/30

 0320起床。ブロックを抜いて外を覗くと東稜の稜線がうっすら見える。0500出発。一つ目のヤバイリッジは注意深く巻く。そこが3本槍で、振り返ると中央Pのヘッ電がちらつく。彼らは3本槍基部にテンぱったようだ。なんという素敵なロケーションで幕営なのだ、とうらやましく思う。途中、崖にでてラッペルの用意をする。がそこはリッジが続いていて結局歩いて通過。夜明けとガスで真っ白でよくわからんかったのだ。

 ちょっと行くとまたしてもナイフリッジ、しかも急登。慎重に除雪しながら通過。

そして門。ロープをつける。昔より寝ていた。だがロープは欲しいところだ。

 そしてローソク岩。昔ここでひどい目にあった。その後は懸垂ポイントである窓岩。

懸垂ポイントらしきところに到着し少し考えていると、わたるが「まだ先行けます」ととのことで少し歩を進める。だが嫌な予感がしたので、停止させてロープを出して「様子見てくる」と言ってビレー体勢になってもらう。ここで落ちた。

 

 何とか這い上がったあとは稜線を歩いて通過。

「窓岩の先は切れている」と思っていたのだが実は稜線は続いているのだったという顛末。しかしながら、この窓岩リッジは細すぎて誰かが落ちた後に雪庇がなくなって本来の稜線が露になってないと通過できないだろう。幸い中の不幸なのか、不幸中の幸いというべきか事は起きたのだ。勘を半分信じて助かり、勘を完全に信じなかったため落ちたのだろう。

 膝が痛い、明日はもっと痛むだろうが、今日はまだ事故直後のアドレナリンが出ていて痛くは無いだろう。その証拠に体は温かく昇圧傾向にある。

 中央Pと交代でラッセルし頂上へ。頂上の祠は青氷で覆われていたが、記念写真を撮る。後でみるとお互いとても満足顔だ。後はGPSで長官小屋まで…だがGPSでもリッジを間違えそうになって行きつ、戻りつを何度も繰り返す。今回はGPSがあるおかげで、低気圧が近づいている中でも頂上へ行くという選択ができた。天気予報が悪いときは積極的に使うべきであろう。

 長官小屋にたどり着く。テンパるわけだが膝がすべり転んでテントポールを蹴飛ばして折ってしまう。すぐさま番線・ペンチで応急修理するが、秀へ修理だして\570の出費となった。

 




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↑出発~

 


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↑出発~2



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↑低気圧こないでね。




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 ↑微妙なトラバース。結構いやらしい。




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↑通称「門」の手前




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↑「門」クライミング、エビのシッポが氷化していて快適。昔より寝ている。




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 ↑中央P、彼らは三本槍基部で幕営。なかなかナイスロケーションだった。



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 ↑ローソク岩基部のパヤカワ


 

 
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↑落ちたぞ、脱出に2.5hかかったぞ。M7くらいあったぞ。荷揚げしたぞ。膝負傷。全身打撲アイター




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↑稜線までもう少し。中央Pと交代でラッセル~



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↑やったね!頂上!




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↑小屋発見~




12/31

 翌朝、起きるも膝が固まって動かない。激痛だ。鎮痛剤を服用するが、足が動かないので用意に時間がかかる。2時間20分も出発にかかった。何とか小屋をでると視界はないがそこはGPSの威力発揮。

 歩き出してしばらくすると痛み止めが有効血中濃度に達したことを感じた。あとは下山するだけだ。急いで下山し1便乗船を目指すも、1000フェリーターミナル到着。間に合わず。2便は欠航。

 この日は親切なTさんという建設業を営んでいる方の工場へ泊めてもらう。他の友人(中央P)も呼んでいいか、と訪ねると快諾もらう。なんと優しい。

 薪ストーブ、焼きウニ、年越しそば、浴びるほどのビールをいただきつつ紅白のラジヲを聞きつつ就寝。あ、温泉も連れて行ってもらった。

 





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 ↑翌朝、ひどい風から逃れてもう安全圏。



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↑利尻Tさん倉庫にて…



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↑…宴会! 焼きうに!




1/1

 全便欠航。モチをご馳走になり、Tさんの車をお借りして4人で島内一周ドライブ。夕飯(鮑、帆立、ヒル貝入り海鮮カレー)もご馳走になる。

 Tさん、一言、「いいかぁ、人の世話になるってことはいいことなんだぞぉ」と。

私もこういう優しさをもった人間を目指そうと思った。

 

1/2

 船はでた。さらば利尻。またいつかの正月。さらば、やさしい島民、Tさん。膝が痛いが明日からリハビリのための山スキーをせねばなるまい。

 船から「いち富士」を見ながら、次の野望に思いを馳せてニヤニヤするのであった。

今年も良い年、忙しい年になりそうだ。

 





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↑またね、利尻。



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コメント

§ 良かったねぇ

実に濃厚な年末年始だった様で、うらやましい~!!
生きているって、すばらしいですなぁ・・・

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